報告と根拠
2026年8月 全社スクリーニングの着手
公開
本格展開A(全社スクリーニング)の月初の定例報告です。7月末までの実績は 2026年7月の活動報告 に、8月1日時点の着手内容とこの1ヶ月の計画を本ページにまとめています。以降は毎月このかたちで報告します。
このフェーズの位置づけ
対象を全社へ広げます。 PoC・限定適用で扱ったのは領域A〜D + 共通基盤の 596本 で、これは基幹の一部です。発電・ERP 等を含む残りの領域について、現地調査と AI 解析を開始しました。 目標は9月末までにヒートマップを完成させることです。 「どこから切るか」を経営が判断できる材料を9月末に揃え、10月の意思決定(本格展開B)につなぎます。 判断の土台も広げました。 8月1日に、システム間連携の「質」の可視化と経営レーダー(構想デモ)を追加しました。
フェーズの現在地
| フェーズ | 期間 | 状態 |
|---|---|---|
| PoC(手法の妥当性検証) | 2026年4〜6月 | 完了 |
| 限定適用(判定を現場で確かめる) | 2026年7月 | 完了 |
| 本格展開A(全社スクリーニング) | 2026年8〜9月 | 進行中 ← この報告の範囲 |
| 本格展開B(意思決定と第1次切除) | 2026年10〜12月 | 予定 |
| 実行・定着(モダナイゼーション) | 2027年1月〜 | 予定 |
目次
1. このフェーズの目的
ここまでで確かめられたのは、手法が成立すること(PoC)と、推定を現場に当てる手順が回ること(限定適用)の2点です。残っているのは範囲の問題です。
本格展開Aの目的は、同じやり方を全社に広げて「どこから切るか」の判断材料を揃えることです。診断ジャーニーで言えば、評価済み領域が到達しているステップ3(死活の推定判定)まで、全社を引き上げます。進捗は 全社システム資産マップ に反映していきます。
2. 8月1日時点の実績
判断の土台として、資産の「量」だけでなくつながりの質を見られるようにしました。
- システム間連携を6種別に描き分けました。 種別はAPI等の自動連携 / ファイル / CSV手動 / 人による転記 / メール・チャット / 接続関係不明の6つです。システム・業務構造マップで種別による絞り込みができます
- 「つながって見えて、実際は人がつないでいる」連携を工数・年間コスト換算で一覧化しました。 各連携に出どころ(解析推定 / ヒアリング / 業務フロー / 利用部門申告)と確度を付けました
- 接続関係が不明な連携を空白にせず「不明」として明示する方式に変更しました
- 経営レーダー(構想デモ)を追加しました。 IT資産の可視化の先に何が見えるかを、実データ未接続の合成データで先に置いたものです
- 経営ダッシュボード に全幅ボード版を追加し、見せ方を選べるようにしました
3. 8月の計画
| 週 | 予定 |
|---|---|
| 第1週 | 対象領域の確定と資料受領の段取り(発電・ERP 等) |
| 第2〜3週 | 資産の棚卸し。呼び出し痕跡からの依存グラフ復元 |
| 第3〜4週 | 未提供ソース 199本 の所在確認(正本の一元化に向けた前提整備) |
| 通期 | 現場確認の継続。「不明のまま」としたプログラムのログ監視 |
199本の所在確認をこのフェーズに置いているのは、これが次フェーズの前提だからです。正本がどこにあるか分からないままでは、切除も移行も安全に実行できません。
4. リスクと前提
スケジュールに効く前提
9月末のヒートマップ完成は、資料が8月中に揃うことが前提です。特に実行ログは、証拠として使える期間の長さがそのまま判定精度に効きます(PoC では2ヶ月分で「不明のまま」が発生しました)。取得期間を延ばせるほど、後戻りが減ります。
- 資料受領の遅れ → 棚卸しの着手が後ろにずれ、9月末のヒートマップに影響します
- 対象範囲の膨張 → 発電・ERP は所管が分かれるため、範囲の線引きを第1週で確定させます
- 判定の外れ方 → 限定適用で分かったとおり、低頻度処理は証拠不足のまま「使われていない」と判定されがちです。停止判断の前に監視期間を必ず挟みます
5. この先の見通し
| 時期 | 予定 |
|---|---|
| 9月 | リスクヒートマップ完成。「どこから切るか」の判断材料が揃う |
| 10月 | 経営層による切除順序の意思決定(本格展開Bの開始) |
| 12月 | 第2クール完了。次年度の中期経営計画・IT投資計画に反映 |
本格展開B は、揃った材料をもとに実際に切る・統合する・作り替えるフェーズです。並行稼働と差分検証で段階的に切り替え、いつでも戻せる状態を保ちながら進めます。
続きは 2026年9月の活動報告 をご覧ください。